WEB2.0はネット・コミュニティの春の訪れか?
『Web 2.0時代のYahoo!とは、検索リニューアルで端緒つかむ』を読んだ感想だが、遂に日本でもWEB2.0の議論が始まったのかと感慨を新たにした。
2005年10月初、サンフランシスコで行われた第二回のWEB2.0カンファレンス2005は、正に先週金曜日(2005年10月5日―7日)終わったばかりである。
それには有名なブログ企業、シックス・アパート社の創業者ミナ・トロットらが参加している。
● WEB2.0とは何か
まずWEB2.0とは何かを、提唱者のティム・オレイリーの定義を基に筆者の見解を加えて手短に述べよう。
既に日常品(コモディティ)となったパソコンやサーバーをネットワークすることによりマイクロソフトやネットスケープなどのソフトウエア販売がビジネスとして目立ったこれまでのインターネット環境はWEB1.0と呼ばれている。
一方WEB2.0とは、次世代のWEB環境のデザイン・パターンやビジネス・モデルを意味するとされている。
その代表は『サービスを提供する』グーグルである。(一方WEB1.0の代表は『ソフトウエアを販売』するマイクロソフトとされている。)
このWEB2.0の技術環境は、2001年ITバブルが弾け、その後、IT不況が続く中でユビキタス・ネットワーク環境が次第に整備され、遂に登場した。
ITバブルの崩壊と言う社会の混乱がWEB 技術環境を先端的な方向へと変化を不連続に加速したのである。
サービスを支える地図ソフトウエアのAJAX、ソーシャル・ブックマークのdelicio.com、写真のflickr、穏やかな社交を支えるブログやソーシャル・ネットワーキング、アマゾンの書籍販売、Ebay、アップルのitunesやipodなどがWEB2.0の要素を持ったサービスであるとされている。
WEB2.0の技術環境の特徴は以下の通りである。
1、量的な拡張性(スケーラビリティ)を持った『サービス』が中心であり、
ソフトウエアパッケージの販売が中心であった古い時代とは異なる。
2、人々が使うほど価値の上昇するデータが重要である。
そしてデータベースのあり方は集中型ではなく、インフォーメーション・グリッドと呼ばれるような分散型になる。(この分散したデータをグーグルなどが集めてきて使用者が望む形で表現する訳である)
3、活用者(ユーザー)は共同開発者である。
4、参加者の集合的な知恵の活用が企業の競争力を強化する。
5、顧客のセルフサービスによりロングテール型のマーテケィングに価値が出る。
6、コモディティ化したソフトウエアを組み合わせる所にイノベーションの価値が出る。
7、疎結合による軽いインターフェース、開発モデル、ビジネス・モデルが重要。
一言で言えばハードウエア、ソフトウエア、データがそれぞれコモディテイとして部品となり、それらが軽くネットワークされる。その上でサービスと参加者、開発者を問わないネットワーキングされたコミュニティが重要となるのである。
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● ネットの上に穏やかな入会地(コモンズ)が出現
それではそのような技術環境の上に成立する社会環境やライフスタイルとは一体、どのようなものか。
複雑系理論によれば秩序の中から無秩序が生まれ、無秩序の中から秩序が生まれるとされる。
実際、我が国でも2チャンネルの『荒らし』に代表されるまるで氷河期のようなインターネットの社会環境(WEB1.0の技術環境が支える)が緑豊かな温暖期のような穏やかなもの(WEB2.0の技術環境が支える)へと変わろうとしている。
早くもネットの上では、中世欧州のコモンズ(入会地)と呼ばれる穏やかな社会環境が登場し始めている。
コモンズ(入会地)では人々が活発に社交(ソーシャル・ネットワーキング)を行ったり、協働作業(コラボレーション)を行う。そして参加者の自律が促進され、自らの潜在的可能性を精一杯引き出した自己表現や心の現実を重視した水平な人間関係の下で、仲間との社交による至高の体験(ユーザー経験)など、ネットの上で感情豊かな泣き笑いが経験されることとなる。
無論、ネット発の対面イベントも盛んとなる。こうしてネットの社交や協働作業の中で参加者の『自己物語』=新しいアイデンティティが形成される。
社会学者マーシャル・マクルーハンの予言とおり、メディアの進化が新しい社会性を生み出し、新しい感覚を持った自律型の人々を大量に生み出す訳だ。
まさにネット・コミュニティの春の訪れである。
面白いのは『WEB2.0の環境下における企業のコアコンピタンス(競争優位を実現する中核的能力)は、分散型のデータベース・マネジメント力である』とされる点である。
昔、哲学者のカントは、人は主観的な『現象の世界』のみを見ており、実際の物理的な世界を見ることはできないと言った。
この哲学に従えば、我々は必要な情報を集めてきて、それをいわば『現象の世界』として体感できれば、十分なのでる。
グーグルに代表される物理的に分散されたデータを集めてきて統合するサービスは、活用者から見れば一種の『現象の世界』である。WEB2.0の環境下では自分の求めるデータの表現が『画面上の現象』と言う形を取ってサービスとして提示される。
Yahoo Japanが検討しているとされるmy web 2.0と呼ばれるサービスはこれを目指しているのだろうか?
さて数年前の日韓共催によるサッカーのワールドカップでは、選手が誰も居ない国立競技場に設置された大画面上でプレーをする選手を見ながら、色とりどりのユニフォームを着たファン達が一体となってワイワイ騒ぐ世界が出現した。
背広を脱ぎ、別の自分に変身してイベント会場に駆けつけた訳である。
これは一種のコスチュームプレーである。このような光景は全国各地で散見された。
WEB2.0の環境が整えば、次回日本で開催されるワールドカップは以下のようなイメージになるだろう。
各地のイベント風景を大画面のような動画や写真、インスタントメッセージング、ネット電話、ブログ、ソーシャル・ネットワーキングやグーグルのようなサービスが繋ぎ、一つに纏めて提供してくれる。
その時視聴者達は、同時に全員がイベント参加者でもある。
分散型データ−ベース技術が進化し、表現技術が進めばこのようにしてネットとイベントが融合した世界が楽しめる可能性が高まってきたと筆者は考えている。
『ネット上の映像の世界』と『ファンの仲間との現実の世界』、更には『別の自分に変身したファン達』が幾つかの繋がった『対面イベント』の中であらゆる分散したデータを『一つの現象』として一体化し、仲間達と共にそれを楽しんでいる姿がWEB2.0のもたらす究極のライフスタイルであろう。
果たしてWEB2.0の世界がもたらす『至高の体験』は米国テレビドラマ、スタートレックのホロデッキのようなイメージなのか?
できるだけ早くWEB2.0の萌芽型を体感しよう!!
アメリカパテント大学 ナレッジMBAスクール教授 山崎秀夫
![]() ![]() | 山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事 http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/h-yamazaki/ |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2005-11-10 9:02 更新日時: 2005-11-10 9:02 |
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切込隊長BLOG(ブログ)-「Web2.0」とやらについていけない人、集まれ!!単なるgeek向けのマーケティング活動じゃね?web2.0、一部で盛り上がってるっぽいです。でも、そんなに盛り上がっているとは思わなかった。それにしても、何でも定義付けしたい人がいるんだなぁと... |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2005-11-11 0:58 更新日時: 2005-11-11 0:58 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2005-11-11 10:47 更新日時: 2005-11-11 19:10 |
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本コラムのみならず一連のWEB2.0の議論についてそれをバズワードであるとか否定的なニュアンスのコメントが幾つか寄せられているが、筆者として非常に残念に思う。
何故ITバブル崩壊後の現在、ネット上において穏やかな社会環境が出現したのか(ソーシャルネットワーキングやブログなど)?、これまでと本質的に何が異なるのか? 異ならないなら本質のどこが同じか? 米国のオレイリーやレシグ、アンダーソンなどは、色々な現象の後ろにある本質を見極める議論を始めている。 そして遂にマイクロソフトのビルゲーツさえ、Web2.0の議論であるサービス化の流れをインターネットの新しい波、「断絶を生み出す変化」として捉え、ネットスケープが出現した10年前と同じ『激=ジハード的対応』を社内に飛ばしている。 彼はWeb2.0のもたらす変化を本質的なものと考えたようだ。 表面的にWeb2.0をファッジだと言って笑い飛ばすのはたやすいことだ。 それでは一体、インターネット上で何が変わろうとしているのか? それをWeb2.0の批判者は真剣に追及しているのだろうか? Web2.0は日本でまだ騒ぎ方が足りない。 もっと騒ぐべきだ!! |
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