クラウドコンピューティングの時代にグーグルが衰え始めた訳
大手経済新聞などはグーグルの第3四半期の伸びが7%に急回復したので、勝ち組と言ってますが、「グーグル本業のビジネスモデルが既にピークを過ぎ、成熟期に入ると共に次第にフェースブックやTwitterが広告売り上げを奪い、脅威となる」と言う見方が根強くあります。グーグルが提唱したクラウドコンピューティングの時代にグーグルは衰えるのでしょうか?
ポイントはクラウドとはクラウドコンピューティングとクラウドソーシングの二の側面があると言う点の理解ですね。日本語のクラウドは英語のcloudとcrowdの二つに相当します。またcloudには雲と大衆と言う二つの意味があるため、欧米ではクラウドコンピューティングとクラウドソーシングがコインの裏表としてワンセットで議論されている点です。
グーグルがIBMと提唱したクラウドコンピューティングはスケーラビリティ、やアジャイル開発などインフラ面にあたります。これはグーグルの副業としてそれなりに伸びるでしょう。アンドロイド関係やグーグルドックなどもそれなりに期待できる副業に育つかもしれません。
★ ★Sean Parker's Web 2.0 Summit Presentation
http://www.scribd.com/doc/21539640/Sean-Parker-s-Web-2-0-Summit-Presentation
★ ★ Twitter/Facebook Will Soon Dominate The Web ― Not Google.
http://www.techcrunch.com/2009/10/22/sean-parker-twitterfacebook-will-soon-dominate-the-web-not-google/
★ ★ Can Google Stay on Top of the Web?
http://www.businessweek.com/magazine/content/09_41/b4150044749206.htm
さてサンフランシスコで開かれたWeb2.0の会議で投資家代表のセーンパーカーがグーグルの検索エンジン型ビジネスモデルは峠を越えたと主張し、ビジネスウイーク誌もグーグルは次第に広告の市場をクラウド=フェースブックやTwitterに食われるだろうと言った見方をしています。筆者も9月末、ロンドンの会議でこの話を何度か聞きました。
確かにインターネットの第二の波は、ライセンスからサービスへの流れであり、またデータベース上の情報検索からクラウドによる大衆表現、多様性、知識創造重視と言う流れとシナリヲを持っています。
その流れの中でネットブックなどが登場し、それが電子ブック端末の普及を刺激して紙の時代の終焉を早めたり、携帯電話の形を日本流の四畳半携帯電話からアイフォーン、アンドロイド型のウエアラブルコンピューターに変えたりと色々な変化が発生しています。
そうなれば情報や知識の共有、創造の世界でもデータベース検索型からクラウド型にその中心が移行しても可笑しくは無いですね。
大雑把に言って約1.5兆円程度の売り上げがあるグーグルを今年やっと500億円程度の売り上げに達するフェースブックや売り上げが殆ど無いTwitterが追いつくのが何時になるか判りませんが、このシナリオで進むと2010年代の前半にはありえない話では無いと考えられます。
さて地球温暖化と電気自動車の重視とかクラウドコンピューティングと言うのは、客観科学では無く「相互主観の普及」であり、トーマスクーンが主張したパラダイムシフトに相当します。社会的なものの見方が替わったという訳ですね。面白い事に社会的なものの見方が変われば社会はそちらの方向に加速化されて動いていきます。これを社会学では「予言の自己実現」と呼ぶ訳です。例えば過去の人種差別などがそうですね。それを技術論に当てはめると面白い世界が見えてきます。
<予言の自己実現の失敗>
技術の普及との関係で言えば「条件が整っていれば可能」と考えられます。しかし技術の条件が整っていない場合には、「予言の自己実現」はおこりません。この典型的な例が1994年における「情報ハイウエー実験」として注目されたアメリカオランドにおけるCATVによるビデオオンデマンド実験であり、最近では3D型仮想社会サービスのセカンドライフでした。社会に普及するまで技術がこなれ、老若男女が誰でも活用できる状況になれば「予言の自己実現」は起こります。
<クラウドはグーグルを追い落とすのか?>
さて電気自動車がどうなるかは見ものですが、「クラウドはグーグルを追い落とすのか」と言う予言は自己実現するのでしょうか。筆者は最近のフェースブックの3億人への拡大やソーシャル型マーケティングの確立状況からいってクラウドはグーグルを追い落とす可能性は大いにあると見ています。Twitterに関してはまだこれからですが。
確かにデータベース上の情報検索型広告モデルは、インターネットの第一段階の進化系であり、クラウドと言う人を取り扱う新しいビジネスモデルはより複雑だから完成に時間がかかるんですよね。しかしそれも色々な社会実験の中からソーシャル型の収益モデルが明確になっていました。(これは何れ書きます。)理想の状態を描くエリート官僚による計画型では無く、クラウドの無数かつ多様な社会実験の中から実現可能なビジネスモデルが織り出される社会構築型のアプローチに注目しよう。
![]() ![]() | 山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事 http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/h-yamazaki/ |
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