日本の携帯電話インターネットサービスは「ガラパゴス」に留まるのか、脱するのか?
ノキアとインテルの提携発表、アンドロイドフォーンの台頭、Iphoneの新機種への注目などを見ていると米国を中心とする世界の携帯電話サービスの流れは、パソコンを基本としたインターネットサービスとの互換性の追及が基本です。国内では携帯端末の「ガラパゴス化」が叫ばれましたが、携帯電話サービス自体も「ガラパゴス化」するのでしょうか。それとも脱するのでしょか?
携帯電話のオープンプラットフォームと呼ばれるアンドロイドフォーンは、携帯電話端末を更には携帯電話サービスを「電話コンセプト」から「ウエアラブル・コンピュータ」の方向に引っ張り始めました。ノキアとインテルの提携発表やIphoneの新機種への注目など携帯電話インターネットサービスに関する世界の方向は「パソコン・インターネットサービスとの互換性の追及」(少なくとも両者を補完的に使用する)と決まったようです。
★ ★ Mobile Data: IBM Tags Wimbledon With Seer Android
http://www.techcrunch.com/2009/06/23/mobile-data-ibm-tags-wimbledon-with-seer-android/
★ ★ IBM、モバイル研究事業に1億ドルを投入へ
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20395203,00.htm
★ ★ HTC to Launch 'at Least' Three Google Phones This Year
http://www.pcworld.com/article/161355/htc_to_launch_at_least_three_google_phones_this_year.html
★ ★ Intel and Nokia announce “long-term strategic partnership” for an open mobile computing platform
http://www.crunchgear.com/2009/06/23/intel-and-nokia-announce-long-term-strategic-partnership-for-an-open-mobile-computing-platform/
引用
引用:
In short: “[B]oth companies are expanding their longstanding relationship to define a new mobile platform beyond today’s smartphones, notebooks and netbooks, enabling the development of a variety of innovative hardware, software and mobile Internet services.”
引用終わり
<インターネットサービスと携帯電話インターネットサービスは 別物か一緒か?>
★ 一体化を志向し始めた欧米のサービスプラットフォーム事業者
とりわけ携帯電話端末の世界のトップ企業であるノキアとインテルの提携は「スマートフォン」「ネットブック」「ノートブック」を越えてチップセットの融通やパソコン・インターネット・サービスとの一体化を追求する姿勢を鮮明にしたものであり、非常に注目されます。
これまでデジタル化された携帯電話は「電話 + ショートメッセージ + アルファー」程度の機能しかもっていなかった欧米の携帯電話のインターネットサービスでした。それがパームやブラックベリーなど主にビジネス用途におけるスマートフォーンの時代となってインターネットサービスをスマートフォーンで支える方向に進んでいました。
そしてその波が一般生活者の世界に押し寄せました。それがIphoneの台頭であり、アンドロイドフォーンが続き、そして今やノキアとインテルの提携として携帯電話インターネットサービス全般を形作ろうとしています。
そこでのイノベーションの鍵は「携帯電話コンセプト」の改良の上に携帯電話インターネット・サービスを独自サービスとしてイメージするのか、「ウエアラブルコンピューター思想」の上にそれを夢見るのかと言う戦略の強調点の違いでした。
★ 日本は伝統的に別系統のサービス志向
一方 我が国の携帯電話インターネットサービスはNTTドコモのアイモード以来の伝統があり、電話と言う形状の四畳半文化の中にインターネットサービスを詰め込もうとしたため、全く別系統の携帯電話インターネットサービスが立ち上がりました。そして一時期、世界から携帯電話インターネットサービスの先進国として大注目されました。
そして携帯電話のキャリア各社間では、比較的閉じたそれぞれ独自のサービス世界が出来上がっています。(ガラパゴス世界)
そこにはウエアラブルコンピュータと言う発想はありませんでした。
しかし流石にアンドロイドフォーンの台頭、Iphoneの新機種への注目などの中で国内のキャリアーやベンダーも危機感を持ち始めています。オープンプラットフォームやウエアラブルコンピューターコンセプトがパソコンインターネット互換((少なくとも両者を補完的に使用する)と言う視点から「ガラパゴス世界」に揺さぶりをかけ始めたと考えられます。
★★ NECがパソコンと携帯電話を融合させた製品を発売へ、専門組織を新設
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090323_nec_mobile/
★ ★ KDDI、Googleの「Android」を採用したスマートフォンの開発に本腰
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090624_kddi_android/
<携帯電話インターネットサービスは今や疾風怒濤の時代>
日本では2006年10月24日から携帯電話番号ポータビリティが実施された頃からインターネットサービスの主流は従来のパソコン・インターネットでは無く、携帯電話インターネットとされ、大きく別系統の携帯電話インターネットが台頭しました。DeNAのモバゲータウンなどの携帯電話インターネット専用のサービスが多数あるのも日本の特徴と言えましょう。(勿論、米国にも、IphoneとAT&T専用と言ったサービスも全く無いと言うことでは有りませんが。)
しかし欧米の携帯電話インターネットサービスがパソコン・インターネットと互換性のある(少なくとも両者を補完的に使用する)サービスを追及し始めた今、また国内のキャリアやベンダーがそれを追いかけ始めた今、国内のITベンチャー企業は「従来型の別系統サービスの維持」か「パソコンサービスとの互換性」追及かと言う非常に難しい選択を迫られ始めたと考えられます。
2008年秋、世界カメラが拡張現実感のサービスで喝采を浴びたのもIphoneの上でした。インターネットサービスと互換性のあるウエアラブルコンピューターであるが故にこういったサービスは可能となります。
しかし従来の携帯電話インターネットの生活者である顧客は電話端末と言う日本独自の狭い画面=「四畳半文化」の中で別系統のサービスを楽しんでいます。
★ ★ Tonchidot Madness: The Video
http://www.techcrunch.com/2008/09/17/tonchidot-madness-the-video/
そうした中で総務省が提唱するキャリアーサービスと携帯電話開発販売の分離の時期=2010年が到来します。これも大きな影響があると考えられます。どこまで徹底するかは判りませんが。この点はインターネットは一つのサービスと考える韓国の方が先行しています。
★★ 総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会」が答申案を公開
http://japan.cnet.com/news/com/story/0,2000056021,20395362,00.htm
★★ 携帯各社 総務省研究会の端末と通信料の分離案 部分反論も事実上容認
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20354191,00.htm
★★“SIMロック解除”で加速する韓国携帯のオープン化
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0804/24/news042.html
果たして国内のITベンチャー企業の皆さんは現在の収益を確保しながら、オープンプラットフォーム化やインターネットサービスと互換性のあるウエアラブルコンピューター化の波に如何に対処するのでしょうか? 難しい時代になってきました。
![]() ![]() | 山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事 http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/h-yamazaki/ |
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