エリアターゲティングの真の力
昨年ころからエリアターゲティング技術を企業のサイトに組み込む事例が増えてきています。例えば、全日本空輸(ANA)が運営する航空券や旅行パッケージを販売するECサイト「ANA SKY WEB」。エリアターゲティング技術の導入で、アクセスしてきたユーザーの位置を元に最適なパッケージ商品を表示するなどレコメンド機能として活用しています。
このほか不動産企業のサイトでも導入が進んでいます。賃貸、不動産販売にとって、エリアターゲティング機能はほぼ必須の機能。北海道に住んでいる人に沖縄の物件を紹介してもコンバージョン率は低いでしょうから、今後はさらに導入が進んでいくでしょう。
一般的にパソコン向けサイトのエリアターゲティングはアクセスしてきたパソコンのIPアドレスを取得し、地域データと紐づけるデータベースを参照してエリアを特定します。もっとも有名なのはサイバーエリアリサーチが提供する「SURFPOINT」でしょう。このデータベースは都道府県単位から市区町村単位まで精度を少しずつ上げています。
別に不動産販売じゃないし、エリアターゲティング技術はいらないだろうと思っている企業も多いようですが、本当のエリアターゲティングの力を引き出している企業はまだ数少ないと感じています。本当の力は地域性を持ったほかのデータとの連係です。
例えば、気温データ。エリアが特定できるということは気温データと連動させることができます。例えば、アパレル関係のECサイトであれば、沖縄からアクセスしてくるユーザーと北海道からアクセスしてくるユーザーによって、表示する衣服を自動的に変更できます。冬といっても沖縄は15度近く気温がありますから当然、北海道とはお薦めする商品が異なってくるはずです。
エリアごとの住人の属性データと連動させることも可能です。当然ですが各地域ごとに住人の年齢層は異なります。一般的に大都市圏には若者が多く、地方には年配者が多い傾向があります。エリアを特定できれば、おのずとお薦めする商品のジャンルも変わってくるでしょう。
そのほか、地域を限定したテレビCMを展開し、その効果を測定できる点もエリアターゲティング技術の隠れた魅力です。実際に効果測定に利用している企業もいます。
九州出身、北海道出身、関西出身、関東出身。実際にあるかないかは別として、出身地の話になったときに、「確かに関西人っぽい」「九州男児特有の」「関東の人は」といった地域に根ざした個性を表現する言葉が多数あります。科学的に立証されているものでもないのでしょうが、地域ごとに一定の嗜好性や関心、趣味といったものに違いがあるのは事実。生まれ育った場所、住んでいる場所はその人のサイコグラフィックな部分にも一定の影響を与える可能性があります。
現状のターゲティング技術の動向を見ると、掛け合わせがブーム。こうしたサイコグラフィックターゲティングとエリアターゲティングの掛け合わせも今後進んでいくのではと見ています。
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