FPN-大統領選2.0

大統領選2.0


■メディアとネット 2008-6-24 7:32:00 by OMI

1月4日、アイオワ州での予備選で号砲が鳴った2008年大統領選挙。オバマ氏によるこの勝利演説がその後の民主党内での予備選に強く影響を与えるものとなりました。インターネットの台頭と若者による政治参加です。





当初はオバマ氏の苦戦が予想され、2月のスーパーチューズデーでヒラリー・クリントン氏の勝利で決着が付くであろうと思われていたヒラリー陣営はその後、思惑が外れ、参謀の辞任や選挙戦略の練り直し、「インターネット」「小口」という新しい集金システムである「献金のロングテール化」に成功しているオバマ氏とは異なり、思うように選挙資金が集まらない状況に陥り、スーパーチューズデー後についに形勢逆転となります。その差はインターネット・サービスに関する統計でも一目瞭然となります。

以下、YouTubeでのアクセス数です(赤線がオバマ氏)。


以下、Facebookでの各候補者のお友達数です(水色がオバマ氏)。


YouTubeによるPRやFacebook含むSNSによるボランティア組織の組成をより確実にするためにも、オバマ陣営は1-3月の三ヶ月で約3億円以上をインターネット広告に投資することとなりました。




オバマ氏の獲得代議員が過半を超えた辺りで出始めていた「クリントン氏の撤退論」が、更に「ジョン・F・ケネディ氏が暗殺されたのも確か6月だったよね」とのオバマ氏暗殺への期待をほのめかす大失言がインターネットを経由して世界中に配信され、それが決定的となり、ついに、6月7日に、



長い民主党の予備選挙に終止符が打たれることとなります。また、6月17日にはアル・ゴア前大統領が立ち上げた地球温暖化防止に関する広告キャンペーン\\"We Can Solve the Climate Crisis"、略して、"We"をオバマ氏の環境政策に盛り込むなど、以前からオバマ氏支持濃厚と見られていたゴア氏が正式に自身の立場を表明し、"Yes, We Can"と、党内の動きが本選に向けついに固まります。



"Internet Plays Valuable Role In Increasing Democracy, Freedom"

これはtechPresidentの5月13日付けのエントリ\\"The Presidential Debates Must Embrace the Internet"の一部なのですが、インターネットの台頭により、大統領選における民主主義の反映が一つ前のステージに進んだんだと思います。それこそまさに、大統領選2.0。インターネットを通じた多くの若者による政治参加がいま苦しむ大国、アメリカを動かそうとしています。

そして、この大統領選2.0が与える影響というのは僕達の憶測を超えるものになるでしょう。以下は、6月13日付けtechPresidentのエントリ\\"We the Web of the United States"の一部引用となります。

"I prefer to say “changing role” of traditional media, rather than pit the two spheres against each other, because I don’t believe they are two distinct spheres."

実は若者の政治参加やインターネットの台頭のみならず、伝統的なメディアと新メディアの融合が図られたのがこの大統領選だったと書かれています。そして、"changing role"、新旧の対立軸を作るのではなく、メディアにおいても融合するポイントを図ったのが、オバマ氏が牽引した民主党内での大統領選であったと述べ、"We the Web of the United States"、アメリカはウェブによって一つになったと結論付けています。

以下、6月12日付けInternational Herald Tribuneの記事\\"Globally, Obama is the choice"の一部引用です。

At the time the poll was carried out, from mid-March to mid-April, there was high interest in the U.S. election in several of the 24 survey countries, especially Japan, where 83 percent of respondents said they were following news of the race very or somewhat closely. That is more than in the United States, with 80 percent.
思わず笑っちゃいましたが、大統領選への関心はアメリカ人よりも日本人のほうが高いのですね。オバマ氏の躍進は、日本人にも「いつの日か、自分達の想いを国政に」と映っているのだと思います。僕も一国民として、期待が膨らもうとしています。皆さんはいかがですか?


※筆者コメント
大統領選とインターネット」のシリーズ企画もついに20回目を迎えました。今回のみタイトルを変えて、一連の大統領選の動きをレビューしたいと思います。

次回、21回目より、11月の本選に向けてのレビューに取り掛かります。引き続き宜しくご愛読願います。


関連記事
アル・ゴア氏、"We"が地球温暖化を防ぐ」(2008年4月1日)



OMI
喜多川正臣 / リサーチャー
http://blog.masaomi.jp/



(4746p)
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