コンテンツの価値を台無しにする、Webビューワー
先日、マイクロソフトはMSNで「マガジンサーチ」(http://magazine.jp.msn.com/
)を開始しました。
TarzanやHanakoといった雑誌が無料で読めるということで、近頃ダイエットに取り組んでいる筆者も、Tarzanを読むべく早速アクセスしてみました。
「・・・うーむ.......」
最初にアクセスした時、少し戸惑いました。
皆さんもぜひ一度アクセスしてみてください。その使い勝手の悪さに驚くと思います。
こちらの記事には、さらにつっこんだ形で詳しく書かれています。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0530/config212.htm
このサービスに対する筆者の感想は、上記の記事中の感想とほぼ同じです。「雑誌を読む」ユーザーの使い勝手など配慮していないかのようです。MSNは、一時的にPV数が稼げればあとはどうでも良いと思っているのではないかと疑いたくなります。
■見た目は良いが「使えない」Webビューワー
あらためて考えると、Web上でこうしたユーザビリティを軽視したビューワーに出くわすことが結構あるように思います。最近だけでも、フランフランのカタログ(http://www.francfranc.com/jp/catalog/
)や、JR東日本のパンフレット(http://travel.eki-net.biz/jrnetsbyu/servlet/PamphletListServlet
)を利用して、その見にくさ・使いにくさに閉口した覚えがあります。
こうしたサイトを構築する場合の多くはWebサイト構築業者に発注することになるわけですが、カタログやパンフレットの表示方法に関して、業者からいくつかの実現方式の提案を受けることになるかと思います。この実現方法の中には、CMSのような仕組みを使ってHTMLで組み込み表示する方法もあれば、上記のような専用ビューワーで表示する方法もあります。
前述のWebサイトが採用した専用ビューワーによる表示方法の利点は、既存のカタログやパンフレットのデータを再利用して比較的簡単にオンライン化できることではないかと思います。極端な話、スキャナーでスキャンした画像を取り込んでサーバーに配置すれば良いわけで(ビューワーの配置ももちろん必要ですが)、データの入れ替えも簡単に行えます。
加えて、ページめくりのアニメーションが取り入れられたりして、「いかにも」感が漂う作りでお偉いさん方にウケるデモンストレーションが可能であり、このあたりがこの製品(ビューワー)の売り手にとって最大の武器になっているのではないかとも思います。「いいじゃない!コレ!!」みたいなノリですね。
これらのサイトの企画者が、本当にこのビューワーが良いと思ったのかどうかは置いておき、企画段階ではビューワーの使い勝手についてあまり重要視していなかったのではないかと思います。フランフランの場合は実店舗やWebショッピングサイトがありますし、JR東日本の方は駅でパンフレットを配っていますから。
■目的に合った実用的な作りを
ところが、MSNマガジンサーチの場合、単なるカタログやパンフレットを「見る」のとは違い、雑誌を「読む」という目的が存在します。見るのと読むのとは大違いで、見るよりも読む方がはるかに快適性を求められるのではないかと思います。こうした点を考慮すると、似たようなビューワーを採用していても、フランフランやJR東日本のWebサイトよりもMSNマガジンサーチの方がより「深刻」だと言えます。
MSNマガジンサーチは、図らずもまだPC+Webの世界がオフラインには勝てないことを露呈してしまいました。MSNでは、PV数を増やすためにこうしたコンテンツを企画しているはずです。雑誌を無料で読めるというメリットが、読みにくさというデメリットをはるかに上回れば継続的にPV数を増やすことが可能になるのでしょうが、現状ではそうしたことは望み薄のように思えてしまいます。
しかし筆者は、専用ビューワーで雑誌をを読ませるというアプローチがマズいと思っているわけではなく、より目的に合ったビューワーを採用して欲しいと考えています。
例えば、アップルのiPod Touchに搭載されているSafariは、小さな画面というハンデを逆手にとって、レスポンス良く拡大・縮小して使う「楽しみ」を実現しています。GoogleのPicasaも、写真をブラウズするという目的において、軽快で非常に使いやすい操作環境を提供しています。
これらが凄いのは、見た目のデザイン性、操作性の両面において高いレベルを実現しているということです。
多くの場合、デザイン性と操作性を両立させるのはそれほど簡単なことではないと思います。某ブランドのホームページではありませんが、魅せることにこだわり過ぎてとてもブラウズしにくい構造になっているWebサイトは少なくありません。現状のMSNマガジンサーチもこの例に漏れません。
ただし、あくまで推測混じりですが、MSNマガジンサーチの擁護というか状況の整理をしておくと、、、
雑誌や書籍というのは著作権の固まりのようなものですから、Webサイトで不特定多数に公開するにあたっては権利関係の様々な調整が必要になってきます。公開したコンテンツはctrl+Cでコピーできないようにするのはもちろんのこと、印刷やスクリーンショットの取得も抑制する必要があるでしょう。また、写真や画像などの解像度は再利用しにくいように低解像度に落としているようにも見受けられます。
こうした著作権保護の要求を満たすことができるビューワーの選択肢は、現状ではそれほど多くはないのでしょう。よって、好むと好まざると、ビューワーの形にこだわった場合、この製品(MSNマガジンサーチが採用しているビューワー)以外に選択肢は他にほとんどなかったのかもしれません。あるいは予算的な面での理由もあったのかもしれません。
雑誌のコンテンツを無料で開放するという試みは、1ユーザーとして歓迎しています。できるならばイチからビューワーを開発して、より良いサービスとして再構築してもらいたいものです。
ところで、個人的な感覚ですが、なぜかこうしたビューワーの仕様は、採用されているどのサイトでも似通っている気がします。
FlashやSilverlightの技術を使って、ものすごく使いやすいビューワーを開発したらヒットするかもしれませんね。
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2008-6-10 9:07 更新日時: 2008-6-10 9:07 |
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インプレスの記事を読んだ後、たまたまコクヨのHPを見ました。
カタログを開くと、記事中の感想とまったく同じ使用感。 ひょっとすると、同じ開発元なのかもしれませんが、見栄え重視、というか、スペック重視で、やれないことを潰してった結果、という感を受けました。 こうしたほうがより使いやすいから、ではなく、流行の機能だからとか、そういった見栄が優先されているのかも知れませんね。 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2008-7-21 0:26 更新日時: 2008-7-21 0:26 |
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