コンサルとアプリ開発者、給与格差250万円の実態とは?
先月末に発売された日経コンピュータに、「3万人調査で分かったITエンジニアの実態」という記事が掲載されています。
そこには、日経BP社が3万1334人の調査データを元にして出した意外な現実が映し出されていました。
回答グループは、コンサルタント、プロジェクトマネジャー、ITアーキテクト、ITスペシャリスト、アプリスペシャリスト、ソフトウェア開発者に分かれており、それぞれの集計結果をまとめた結果、各回答グループごとに熟練レベルのスキルを有する人々の給与は次のようになることが分かっています。
コンサルタント 919万円
プロジェクトマネジャー 888万円
ITアーキテクト 860万円
ITスペシャリスト 697万円
アプリスペシャリスト 659万円
アプリ開発者 658万円
オペレーター 572万円
オペレーターが冷遇されていることは以前の「システム運用はIT業界の最下層扱いで良いのか?」で述べた通りで、今回もその通りの給与順位になっていました。
むしろ今回の調査で注目すべきは「アプリスペシャリスト/開発者」の低賃金である点です。@ITにも「技術職と一般事務職の給与を比べてみると」という記事で、なるほどと想起させる事実が記述されています。
ちょっと引用してみましょう。
『日経コラムのソースは、平成14年度の「科学技術の振興に関する年次報告」(年次報告)のようだ。年次報告は人事院の「職種別民間給与実態調査(平成13年度)」を基に、日経コラムが引用した研究職だけではなく、技術職の日米の給与格差も掲載している。
米国の技術者の平均賃金は一般事務職と比べて約1.65倍。対して、日本では約1.11倍という。研究職ほどではないにしても、正当に評価されているのかというと疑問に思う人は多いだろう。』
海外と比べても明らかに冷遇されている国内エンジニア達。そんな状況でもエンジニア達が仕事を続ける理由は何なのか?日経コンピュータの調査発表では、プロジェクト内容と環境が最大要因であるという結論に至っています。
具体的には、「黒字プロジェクトや納期に無理がないプロジェクトに従事している」「スキルアップに繋がるような業務に携わっている」人たちは、給与や職種に関係なく、総じてやりがいを多く感じているという傾向が判明したとのこと。
※比率のデータ等は日経コンピュータ記事をご覧下さい。
後日ITpro上でも情報を公開するそうです。
皆さんはここまでの情報を読んでどのように感じましたか?
私は少々意外な感想を持っています。それは、想像以上にスキルアップにつながる仕事に興味を持つ人が多かったことです。
これまでに色々なエンジニアと話をしてきて感じていたのが、上昇志向を持つエンジニア、特にアプリケーション開発者が数の少なさでした。それこそ全体の90%以上はそういった人材が占めているようなことを周囲の感覚から計りとっていたわけですが、実際には、能動的にしろ受動的にしろ、スキルアップすることに成功した人たちは成長する喜びを覚え、どんどんポジティブな成長スパイラルに身を置くことができるようになっていたということです。
こうなると、人は金銭面での満足よりも能力面での満足を求めるようになり、アプリ開発者やアプリスペシャリストのようなグループでも、スキルフルな人材の雇用維持に繋がりますね。
先に紹介した@ITの記事には、日本企業はゼネラリスト志向が強く、専門職の人間を正しく評価して活躍の舞台を用意できていないため、技術者の頭脳流出が起こっているという意見が紹介されていました。
今回の調査結果を踏まえて言うなら、「専門職の人間を正しく評価してスキル向上の機会を与える」ことができれば、技術者(ITエンジニア)の頭脳流出に歯止めをかけることができるのです。
私が考える「スキル向上」は、自分で考えて行動を起こすことを最も重要な要素だと位置づけています。
言われたことだけしかやらない環境ではなく、言われたこと+αをやる環境を作り出すことが心がけていれば、人が成長する場/スキルを向上する場を提供することができ、みんながそこにずっと居たいと感じる環境が出来上がるのではないでしょうか。
![]() ![]() | 吉澤準特 / コンサルタント http://it-ura.seesaa.net |
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