『顔ちぇき』ヒットに見る日本人のナルシズム
最近『顔ちぇき』という携帯サービスが、リリース1ヶ月で利用者1500万人という大ヒットを記録したらしいです。この事実から、最近のネット事情を私なりに少し探ってみようと思います。
『顔ちぇき』累計利用者1ヶ月で1500万人突破
ジェイマジックは、同社運営のモバイルサービス「顔ちぇき!〜誰に似てる?〜」の累計利用者数が5月27日に1500万人を突破したと発表した。4月26日にサービスを開始して以来、およそ1ヶ月での達成となる。少し前に、私の携帯に旧友から「誰に似てる?」というタイトルでメールが届きました。記載されていたURLをクリックしてつながったのが、この『顔ちぇき』です。
ためしにやってみたら、一番似ている有名人は菊池桃子。次が藤原紀香と石川梨華でした。でも、詳しく見てみると、パーセンテージで表される「似ている度」が、1位の菊池桃子でさえ24%で、あとの2人は22%というなんとも微妙な数字でした。それ似てないだろ!と。
で、このサービスを提供しているジェイマジックの代表である宮田氏が、CNET Japanにおいてブログ「宮田拓弥の携帯電話アプリケーション未来考」を連載しているのですが、その中で以下のようなことを言っています。
このサービスに関しては一切プロモーションを行っていません。ネットやテレビなどのニュースが最初の起爆剤になったことは否めませんが、その後のブログやSNSからの伝播力はすさまじかったです。
(「顔ちぇき」の検索結果)のほとんどが、ブログなどの個人の方々のページで「私はxxに似てるらしい」という内容を画像付きでアップされているものです。特に、SNSなどでは「友達が紹介していた顔ちぇきをやってみました」という日記が毎日のようにアップされて更に利用が増えるというスパイラルがおきていました。冒頭の「1ヶ月で1500万人」というニュースと合わせて考えて頂きたいのですが、特にプロモーション活動をせずに1500万人というのはなかなかすごい結果です。
しかし、実際にサービスを体験した身からすると、決して不思議ではない気もします。
実際私自身、自分が「顔ちぇき」をした後、誰かに「わたし菊池桃子に似てるらしいよ」と言いつつそのURLを3人の友人に転送したわけですから。
・・・なんでしょうね?
もしも仲の良い友人が「私○○に似てるって言われた」と嬉しそうに(もしくはショックそうに)話していたら、えーじゃあ私は誰に似てるんだろう?と思うのは、とても自然なことのように思えます。そして「●●に似てる」と言われたら、それを誰かに「●●に似てるって言われた」と伝えたくなるのも、結構自然なことのように思えます。
・・・うーん。この自然な感じはなんでしょう?
「顔ちぇき」は、すごく人間の「俗っぽさ」みたいなものにフィットしたサービスなんじゃないかなと、私は思うんですけど。俗っぽさ?…何て表現すればいいかよくわかりませんが。うん。
だから、こんなにすさまじい広がり方をしたのだと思います。
「誰か」からの話題の提供
今はかなり勢いは衰えましたが、以前ブログやmixiが流行りだした頃、いろんな質問に答えていくという「バトン」がすごい勢いでネット上を駆け巡りました。あまりにも蔓延しすぎて「面倒くさい」と言うユーザーが増え、それゆえ「バトンを回す」相手を選ぶのも気を遣うようになりその勢いは衰えましたが、でもその文化のようなものは根強く残っていて、今でも「バトン」を時々見かけます。
それとは別に最近私が注目しているのは、GREEで見かける「この結果を日記に書く!」という機能です。
最近のGREEは専らモバイル版に力を入れていて、ゲームが楽しめる「グリゲー」や、占いができる「グリ占」などのコンテンツが充実しています。
そして、例えば星座占いをすると、その診断結果の下に「この結果を日記に書く」というボタン(文言は曖昧)があり、それをクリックすると、あらかじめ占い結果が挿入された状態の日記作成画面にとぶことができます。
ゲームでも然りで、ひとつの場面をクリアしたりした際、例えば「5040点!総合20486位です!」などという結果が出て、その下に「この結果を日記に書く」というボタンがあるわけです。
もちろん、それぞれのサービスへのURL付きで挿入され、その日記を読んだ別のユーザーがすぐにとべるようになっています。
これはすごく効果的な機能だなと私は思います。
占いの結果を見たり、ゲームの場面をクリアした時というのは、いわば多少なりとも「感動」が生まれる瞬間で、「感動」というのはつまり「日記のネタ」です。
さらに、そこからワンクリックで日記作成画面に進めるだけでなく、それぞれの結果を自動的に見やすく挿入してくれるわけですから、自分はただそれに対して感想を述べるだけで良いのです。
GREEにしてみれば、そのサービスに関する日記を書いてもらえばもらうほどユーザーの活動は広がってありがたいわけですから、日記を書くきっかけとなる「感動」から、実際に日記を書いてもらうという「行動」につながるまでのストレスを最低限におさえてあるということでしょう。
さらにその下には「この結果で日記を書いた人」の一覧が見られるようになっており、たとえばそれが星座占いの結果であれば、「同じ日に同じ占い結果の出た人」同士のコミュニケーションの活性化につながっているというのですから、本当によく考えられたサービスです。
ちょっと話がずれてしまいましたが、私が言いたいのは、「バトン」にしろ「占い」にしろ「ゲーム」にしろ、それは「第三者からの話題の提供」であるということです。
これは『顔ちぇき』が「俗っぽい」と言ったのと少し似ていて、特に日本人の特徴なのかもしれませんが、「あまり自分の話ばかりを積極的にするのはちょっと…」という、恥の文化的な?風潮があって(こんだけ自分の話ばっかり書いてる私が言うのもなんですが)。
だから、バトンにしても占いにしても「誰かにこう言われたんですけど」という前置きが出来るという点で、話のきっかけとして都合が良いのだと思います。
ブログやmixiが流行りだした頃は、「情報発信できる」という点だけで人々は熱狂し利用しましたが、現在はすでに「誰でも情報発信できる世の中でどう振舞うか」を考えるようになっています。
そんな中、自発的な情報発信の中にある種のナルシズムを感じる人は少なくなく、だからこそこのような「第三者からの(自身に関する)話題の提供」のニーズが絶えないのだと思います。
『顔ちぇき』にしても、「○○に似てると機械に判別された」という事実は、上手い具合にそういった自己愛をオブラートに包んでくれ、「自分がそう言われたことを誰かに伝えたい」という行動を促す結果になったのではないかと。
よく女の心理について『イヤよイヤよも好きのうち』と言われますが、人間誰しも、他者とのコミュニケーションの中ではそういう心理が働くと私は思います。
自分で「私も行きたい」って言うより向こうから誘ってもらいたいとか、誰かに「歌って」って言われないとカラオケで歌いにくいとか。そういう気持ちが、多少の差はあれど誰の中にでもあるんじゃないのかなと。
CGMと呼ばれるネット上のサービスがどんどん増えていますが、ユーザー同士のコミュニケーションによって成り立つサービスを提供する際には、そういう心の垣根を越えさせるちょっとした仕掛けづくりがキーになってくるのではないかなと最近思っています。
![]() ![]() | qmoto / WEB http://www.inclover-inc.com/pocket/communication_cue/ |
Trackback: http://www.future-planning.net/x/modules/news/tb.php?2352
■あなたもFPNニュースコミュニティに記事を投稿してみませんか?
→記事の投稿方法についての詳細はこちら
| スレッド |
|---|
| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-5-30 10:11 更新日時: 2007-5-30 10:11 |
|
トラックバック: 今感じていること
一ヶ月で1500万人ってすごいですよね。でも、よく考えたら、登録ユーザってより、利用者ってことなんですよね。どれだけのリピート率なんでしょ。 『顔ちぇき』ヒットに見る日本人のナルシズム 最近『顔ちぇき』という携 |
|
|
| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-6-3 13:06 更新日時: 2007-6-3 13:06 |
|
トラックバック: Ko's Style
さぁ6月ですね!衣替え。夏は服代が安く済むので好きですwデジタル一眼レフカメラも買ったことだし、バーベキューとかやりたいかな!食うより撮る、になりそうだけど…さ、5月のエントリーをまとめてみました。 |
|
|
| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-8-6 12:01 更新日時: 2007-8-6 12:01 |
|
|
|
|








