IT技術者は超保守的、セカンドライフへの無関心が持つ意味
とっても面白いと思うのが、日本のIT技術者の主流派の態度です。セカンドライフに対して驚くほど「無関心」な反応です。特に社会を改革する使命を持って飛び込んだはずのITベンチャー企業のITエンジニア達ほど「冷淡」な反応が目立ちます。彼らは既に「こっち側」の人達なのでしょうか。
Web2.0の流れの中でセカンドライフに乗っかろうとしているマーケティングの方々の反応や一般のmixi参加者の反応に比べてもITエンジニア達の反応はずっと保守的です。
筆者にとってこれはちょっと意外な結果でした。例えばIT系の読者が多いFPNのセカンドライフ関係の記事はあまり読まれて無いでしょう?
● セカンドライフはWeb2.0じゃ無い?
色々な話を聞いているとベンチャー企業のITエンジニアの主流派の人達はWeb2.0に強い興味を持っており、自分たちの製品をWeb2.0の技術の中に位置づけて積極的な議論をしています。
ところがその中にセカンドライフは、どうやらその中に入っていないようです。
マーケティング担当の方々から見れば、セカンドライフは明らかにWeb2.0の範疇に入ります。ITサービスであり、ソーシャルメディアであり、デザイナーにとって大衆表現(CGM)の場所であり、バイラルアドに適した社会環境があります。
ところがITエンジニアの主流派の反応は全く違うようです。彼らはWeb2.0をIT技術環境の枠組みで見ています。その視点で見れば確かに彼らが色々と違和感を感じる要素が多数見つかります。
★ ブラウザーの上で展開されないで個別システムの特殊なクライアントソフト=ビューアーが必要・・・・・ITサービス=「ブラウザーOS説」との違和感
★ 携帯電話で使えない・・・・これも同様にITサービス=「ブラウザーOS説」との違和感
★ セカンドライフはWebじゃない・・・・3DとWebの2Dとの間の違和感
★ 仮想世界なんて実名原則に違反する・・・mixiの後遺症がある
★ セカンドライフは標準化ルールに違反している
ITエンジニアの主流派の人達はベンチャー企業も含め、標準化や規格統一の重要性を叩き込まれています。EA、ITIL、PMBOK、BSC、DFD・・・・・IT系の技術者は「標準化=神聖にして犯すべからず」と言った言わば宗教的な要素を持ってその価値観を叩き込まれている訳ですね。
ビジネスウイーク誌は人工現実感を活用した3DのインターフェースをバーチャルWebと呼んでいますが、2Dを前提としたWebの世界とは異質な領域と考えられます。(飽くまでもIT系の技術者の視点ですが)
● セカンドライフは感覚的に受け付けない「異界」
ユング心理学では現実世界の中にある「気味の悪い異なった世界」を異界と呼びました。古いお堂の中のひんやりとした雰囲気や村外れの水車小屋、かぐや姫で想定されている月の世界などがそれにあたります。
あれだけ自分たちのサービスをWeb2.0として楽しそうに語るITエンジニアの主流派にとって3Dのセカンドライフは正に異界のようです。
マーシャルマクルーハンは「メディアはマッサージである」と言いました。どのメディアを活用するかによって活用する人々の「感覚」が異なってくると言う訳です。書籍は眼の感覚がラジオは耳の感覚がと言った風にメディア事に求められる感覚が違います。これが「新しい感覚を持った市民」を作り、文化が変わると彼は考えました。
この文化的な変容にITエンジニアの主流派は付いていけないのでは無いかと考えられます。
だからゲームソフトに慣れていないITエンジニアの方々は「感覚的拒絶反応」を持っている訳ですね。
確かにシミュレーション技術によって個々の参加者が「自らの影(クローン)」を作り出し、クローン同士が会話をして社会を作ると言う「ポストヒューマン」の発想には「違和感」が伴ってもおかしくありません。(ユング心理学の視点からはアバターは「影」です。)
MIXIの論争ではありませんが、つい先日まで「影」を否定する実名原理主義が(フレンドスターの作り出した)「国際標準」だった訳ですから。
● 基幹系からオープン系へ、企業IT開発とインターネット開発――ITエンジニアの主流は保守的だった
セカンドライフ積極派のITエンジニアは非常に鋭い示唆を与えてくれています。「セカンドライフはインターネットの登場初期とそっくりだ!!」
確かに大型メインフレームがオープン化される時もそうでした。
「こんな小さな機械で何が出来る?」「OSがユニックスだ!?」「こんなもんで企業システムの信頼性を確保できるのか!!」当時の基幹系のITエンジニアの主流派は、オープンシステムを徹底して「異端視」していました。
その後暫らくして米国IBMは急速に売り上げが下がり始め、大きなビジネスモデルの転換を余儀なくされました。お菓子の会社から来たゲスナー会長が懐かしいです。
一方WINDWS95の開発が一段落した時、マイクロソフトのビルゲーツは、「これはジハードだ!!」と叫び戦略をネットスケープ追撃=Webに切り替えました。
セカンドライフの場合にはIBMが島を24個も買い取って流通のシアーズや家電のサーキットシティのために店舗展開を支援しています。これと同じ事を日本のMAGSLが始めています。
ビジネスウイーク誌を読まなくても、10年たてば3Dのインターフェースが主流になるでしょう。夢のような話が登場してから、一般に普及するのに電子マネーも10年、ビデオオンデマンドも10年かかりました。遂に今年は電子マネー元年と呼ばれています。
ビデオオンデマンドが1994年頃登場し、米国のオランドで実験が開始された時には、惨めな失敗に終わりました。当時、情報スーパーハイウエーは幻想であり回線が細く、写真すらまともに見られないインターネットと呼ばれる脆弱なネットワークだけが、わずかに実現していました。
当時からITエンジニアの主流は保守的だった訳ですね。
10年後には社内の遠隔地ミーティングなどは、社員のクローン=影―アバターを使った、シミュレーションに支えられた会議が主流になるでしょう。
● 2004年から2006年創業の企業、23歳の社長に賭けよう!!
シドニーの金メタリスト、高橋尚子選手も企業からスポンサーとしての支援を受け始めて以来勝てなくなりました。きっともうハングリーじゃないからでしょう。
ITベンチャー企業に飛び込んだITエンジニア達も転職を繰り返し、新しい技術を覚え、Web2.0の変化を追いかけ、やっと一息ついているのでしょう。
でもITの技術革新スピードは非情です。ドッグイヤーやマウスイヤーで変化します。
今のWeb2.0技術に満足し、セカンドライフに無関心なITエンジニアの主流の方々は10年後には大型汎用機=レガシーシステムの主言語だったコボルプログラマーの運命を辿る可能性が高いことをお忘れなく。
社会変革を担わないITベンチャーは既に「こっち側」の企業です。ITベンチャーとしての存在意義はありません。(少なくとももう「あっち側」の企業ではありません。)
ポスト76世代の新企業群、弱冠23歳の社長(浅枝さん、メルティングドッツ社)たちに明日の日本の社会を託しましよう。
IBMがセカンドライフに本気になっている・・・・間違いなくIT技術の大きな変革が起きる予感がします。
![]() ![]() | 山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事 http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/h-yamazaki/ |
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| スレッド |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-25 16:43 更新日時: 2007-4-25 16:43 |
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山崎様
申し訳ありませんが異論噴出です。山崎さんはセカンドライフのことお分かりでないようですね。もう少し実態をよく把握されることを望みます。ちなみにメルティングドッツの浅枝さんのことは前からよく知っていて、セカンドライフのことは1年前から知っておりますが私は彼とは距離を置いています。 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-25 16:51 更新日時: 2007-4-25 16:51 |
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先ほどの追加ですが、セカンドライフはD通やH堂が仕掛けているというウワサを聞いております。だからあのように大企業やメディアが大騒ぎしている(させられている?)のだと思います。よくメディアに「●●株式会社がセカンドライフに参入」云々という記事が出ますが、あれって、セカンドライフのユーザとして広告を出したとか、土地を買ったとかいうだけの話でしょう?特に仮想の土地については、セカンドライフの日本語版が出ると確実に高騰するとうわさされているので、われ先に群がっているという、全くくだらない話です。セカンドライフそのものの価値がないとは言いませんが、蛆虫のように群がって大騒ぎしている連中を見ただけで萎えてしまいます。
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-25 19:09 更新日時: 2007-4-25 19:09 |
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確かにITエンジニアの一部は保守的で
過去のものになったスキル・資産を
いまだに引きずっている者もいる。
だがこの記事は全くの見当違いだ。
セカンドライフは一般受けはするが
技術の本質を見抜くことができる
技術者には受けない、ただそれだけだ。
一般受けするからマーケティングの対象ともなる。
(この発言はどこかで見た覚えがあるが)
「インターネットの登場初期とそっくりだ」とあるが
どこも似ていない。
この手の発言は、知らない人に誤った知識を植え付け
マーケターの餌食にするのでやめてもらいたい。
ITエンジニアはゲームに慣れていないとは
本当に業界を知っての記述なのか疑問だ。
ゲーム好き如何に関わらず
技術者の仮想3Dに対する適応力は一般の人よりも高い。
「技術者全般」と「技術を飯の種としか考えていない
エセ技術者」とを混同してみていないか。
Open系の話を持ち出して論じてはいるが、
これらに見向きもしなかったのは
エセ技術者であって、本物の技術者ではない。
本物の技術者がいたからインターネットもLinuxも
誕生したことをお忘れでないのか。
一般の人が知らないような歴史や知見、言葉を羅列し
なんとなく理解したように思わせ
自分の結論と結びつけている。
「セカンドライフやってないと
のりおくれるよ」というメッセージを
植えつけるために。
まるで歴史修正主義者だ。
この記事そのものが技術者を釣り
マーケティングに利用するための一手段にも
見て取れるが、本当の所はいかようか。
メディア論で有名なマクルーハンを
出してくるあたりが非常に疑わしい。
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-25 22:19 更新日時: 2007-4-25 22:19 |
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> 「技術者全般」と「技術を飯の種としか考えていないエセ技術者」とを混同してみていないか。 Open系の話を持ち出して論じてはいるが、これらに見向きもしなかったのはエセ技術者であって、本物の技術者ではない。本物の技術者がいたからインターネットもLinuxも誕生したことをお忘れでないのか。
ほんとだ。技術者は保守的なんだねえ。このコメント読むとそんな気がする。 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-26 1:29 更新日時: 2007-4-26 1:29 |
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単純に9年前にUOや北米MMORPGで通過した地点なので何を今更って感じなだけかと。
必死なのは今までオンラインゲームをしたことが無いような一般人だけですよね。 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-26 1:49 更新日時: 2007-4-27 8:56 |
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トラックバック: hikaliの開発日誌
テレビの音声のみを、リアルタイムでストリーミング配信したら、ニーズはありそうじゃない? 本日、ACLで仕事の関係上、ゲームを見れなかったことに非常にイラつく。ホームの川崎戦を考慮しての、午後5時キックオフだったけれど、デファクトの通勤時間だったら、当然見ることは出来ない。わたしは、9時出社、6時半退社。 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-26 15:36 更新日時: 2007-4-26 15:36 |
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マーシャル・マクルーハンは「メディアはメッセージである」と最初に述べ、その後「メディアはマッサージである」と追加し、意味を強化しました。メディア論の常識です。従って筆者の言っていることは間違いでは無い。
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-27 8:18 更新日時: 2007-4-27 8:18 |
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トラックバック: Second Life ウェブマガジン 「MagSL.NET」 マグスル セカンドライフ ゲーム
とっても面白いと思うのが、日本のIT技術者の主流派の態度です。セカンドライフに対して驚くほど「無関心」な反応です。特に社会を改革する使命を持って飛び込んだはずのITベンチャー企業のITエンジニア達ほど「冷淡」な反応が目立ちます。彼らは既に「こっち側」の人達なのでしょうか。 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-29 0:49 更新日時: 2007-4-29 0:49 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2007-4-30 8:41 更新日時: 2007-4-30 8:41 |
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トラックバック: SEM酒場
たまには基本にかえろう、ということで、ヤコブ・ニールセン博士のユーザビリティに関する書籍を読み返していたりする。1995年に運営を開始したJakob NielsenのAlertboxから「ユーザビリテ... |
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