聞き手を引き付けるプレゼン術
プレゼンの目的は様々だと思いますが、目に見えている余計な「肉」をそぎ落としたあとに残る「骨組み」に目を向けてみると、以下のような骨格が浮かび上がります。
1.プレゼンをする自分とはいったい何者なのか?(Who)
2.自分はそのプレゼンで何を伝えたいと考えているのか?(What)
3.このプレゼンは誰に向けられたものか?(Target)
4.このプレゼンを聞き終えると何が得られるか?(Fruit)
5.プレゼンをする背景にはどのような事情があるのか?(BackGround)
6.プレゼンの屋台骨を支える原則は何か?(Principle)
7.この原則を現実に適用する方法とは?(How)
8.方法を実践するうえで参考になる事例とは?(Good Example)
9.方法を実践するうえで避けるべき事例とは?(Bad Example)
ほかにも要素はあろうかと思いますが、これだけあれば骨格として、とりあえずは機能するのではないかと思います。
なぜ、そのように思うかというと、実は、上記の骨格は、とある本の「はじめに」から抽出したもので、「肉」を取り去る前の原文が非常に惹きつけられる、言い換えれば、以下のような期待を抱かせる内容だったからです。
・この人の言うことであれば信用できそうだ
・この人が伝えようとしていることには関心がある
・自分に向けて書かれた本だという感じがする
・読み終えるとどんな効能が得られるのかがわかる
・なぜこの本が書かれたのかについて合点がいく
・バックボーンとなる原則が端的に示されている
・この原則の適用方法を知ることができそう
・良い例と良くない例の両方が紹介されていそう
つまり、「はじめに」を読み終えた頃には、すっかり「読み進める気満々」な状態に変わっていたのです。本を読んでいながらも、まるで著者のプレゼンを聞いているかのような錯覚に陥っていました。
僕自身、ここ数年の間にセミナーや講演など、大人数の前でプレゼンをさせていただく機会が増え、場数だけは積み上げてくることができましたが、それでも常に課題だと感じているのが、聞いてくださる方々との最初のコンタクトの取り方、いわゆる“つかみ”です。ここがうまくいきさえすれば、あとの流れは比較的スムーズに行くのです。
本を読む場合も、これと似たような構造が根底に横たわっていそうです。つまり、以下の2つの条件が明確になっているかどうか、です。
・適切な自己紹介(冒頭の1)
・読み続ける気にさせる動機付け(同、2〜9)
この両条件が満たされていれば、読者は熱意を持ってページをめくってくれるようになるはずです。
言うまでもなく、プレゼンにおいてもこの法則がほぼそのまま当てはまります。すなわち、「はじめに」さえうまくいけば、あとは勢いで最後まで走り抜けるのはさほど難しいことではありません。逆に、どんなに内容が優れていても、導入部分でつまづいてしまえば、その時点で聴衆の関心は著しく損なわれてしまい、この失地を回復するのは非常に困難になります。
なぜ、自分がその内容を語るに足るのかを慎重かつ大胆に組み上げることの大切さを、この本の冒頭のたった7ページを読んだだけで、痛感させられました。
これから読もうとしている本であれ、すでに読み終えた本であれ、「はじめに」をじっくりと読んでみると、 意外な発見があるかもしれません。
![]() ![]() | 大橋 悦夫 / シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌 http://cyblog.jp/ |
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