株式会社mixiは成功するか−その光と影−
「今後はmixiを事業の中核に」--イー・マーキュリー、社名をmixiに変更を読んだ感想です。2006年2月一日からソーシャル・ネットワーキングのmixi を運営しているイーマーキュリーは社名を(株)mixiに変更すると発表されました。ソーシャル・ネットワーキングのmixiは会社の『OS』 なんだそうです。果たして (株)mixiは成功するのでしょうか?
筆者はfind jobと呼ばれているIT系の人材紹介業には全く興味がありません。これは毎年数億円を売り上げており、黒字と言われています。
一方、mixiに関しては、遂にmixi事業部が立ち上がりました。
これは明らかに方向転換ですね。これまであまり重視してこなかったビジネスを本気で重視し始めた訳です。
● mixiの光(強み)の部分
何といっても2004年の春に立ち上がった7−8社のソーシャル・ネットワーキングの中での勝ち組であると言う点が大きいと思います。
当時、どこよりも早くソーシャル・ネットワーキングを開始し、参加者数もトップだったGREEがGREE NIGHT 2.0 を実施後、創業の準備を始めた混乱を上手く利用して2004年秋頃からは、参加者のmixiへの一極集中が始まりました。
Mixiの女性の好みに徹したデザインやどこよりも早く簡易ブログを内部に取り込んだ点、GREEが対面中心に展開するのに対してmixiはネットを重視した点などがライバルに差をつけた理由と考えられます。
その結果、何といっても参加者数250万人と言う国内ではダントツのトップ・ポジションを占めるに至りました。
Mixiはこのまま行くと北京オリンピック前には500万人位までは伸びるかもしれません。
この参加者数の多さ、国内トップ・ポジションと言う点がビジネスの視点からみれば最も魅力的な点です。
そして我が国、ナンバーワン・ブランドを獲得した点は見逃せません。
● mixiの影(弱み)の部分
1、ノンプロフィット的な発想から脱却できるか?
Mixi はこれまでビジネスとして稼ごうという意識が希薄だったと考えられます。
でもこの視点からの脱却が意外と難しいんですよね。
例えば有名な同窓会サイトの場合には、『我々は公共のために奉仕しているのであり、儲けてはいけない。』と言う無意識の制約から中々抜け出せませんでした。
昨年の秋、広告会社と合併し経営幹部が交代してやっと変化が見え始めた訳ですね。
これまでのmixiの社長さんのご発言も、プレミアム制の導入により何とかトントンまで持っていくと言う発想はあっても、収益を第一に考えると言う視点は希薄だったように思います。
いわば社会奉仕、遊びの要素が強かった訳ですね。
2、ベンチャー・キャピタルを説得できるビジネス・モデルが作れるか?
筆者はこれまで多くの優れた幾多のベンチャー企業が、『ベンチャー・キャピタルからの強い圧力』で柔軟性や柔らかい発想を失っていくさまを見てきました。
出資しているベンチャー・キャピタルの論理は、『余計なことは止めて本業に集中し、早く上場して儲けさせて欲しい。』訳ですね。
この点mixiも例外ではなく、噂ではベンチャー・キャピタルから『mixiを早く高値で売り抜けろ!!』とか『儲かる事業でないことは辞めろ!!』と言う圧力が相当かかっていたと聴いています。
これはmixiの経営者を相当悩ませたと考えられます。
今回、mixiは本業の一つだと決めた訳ですから、どこまで本気でビジネスとして取り組めるかが勝負でしょう。
3、経営者がmixi事業の鬼になれるか?
ライブドアの堀江貴文さん、楽天の三木谷さん、ソフトバンクの孫さんなどの本格的な事業家タイプと比較して、mixi社長の笠原さんは、良く言えば『とても地道な方』だと思われます。
これまで筆者がインタビューしたビジネス系ソーシャル・ネットワーキングの活用企業は例外なく、まずmixiを訪問して『mixi システムをライセンス販売してくれないか』とか『コンサル・サービスを提供してくれないか』などと依頼してきました。そして例外なくmixiから断られています。
こうしてmixiは明らかにこれまで多くのビジネス・チャンスを逃してきました。
またソーシャル・ネットワーキング・サービスをライセンスしている多くのITベンダーは、ひたすらmixiとの競合関係を恐れていました。
丁度mixiが立ち上げ当初、yahooの進出を恐れていたように、何時mixiがASPのようなサービスに進出してくるか戦々恐恐としていた訳ですね。
でもmixiはその頃、増え行く参加者数がサーバー容量を無限に食いつぶすコスト対策に頭が一杯で、参加者一人一ヶ月300円のプレミアム制度を導入した以外(それとバナー広告の導入)は、全くと言って良いほど本格ビジネスには興味がありませんでした。(対外的にはショップをするとか色々言ってましたが、未だ何も始まっていません。公認グッズが最近できたようですが・・)
この頃は社長のポケットマネーを超えてコストが膨れ上がる不安で頭が一杯だった訳ですね。
4、女性に優しい穏やかな環境を維持できるか?
一部の方は既にご存知のように、mixi内でも色々な問題が発生しています。アダルト的な活動も活発です。これらの要因は多くの女性たちや企業を引かせる原因になっています。
● mixi事業を他社のサービスと比較する。
それではちょっとmixi事業を他社と比較しながら見てみましょう。(mixiに直接、ヒアリングしてはいないのでその点、誤解なきよう。)
1、プレミアム収益
噂ではmixi参加者のプレミアム・サービス利用率は僅か1%程度と言われています。これが事実なら大した儲けにはなりません。
後から拡大した大多数の参加者がプレミアム・サービスにあまり興味を示さなかった訳ですね。
2万5千人 x 300円 x 12ヶ月 = 9,000万円
これは他社ではブログの使用料などが相当すると思われます。
2、ライセンス販売やASP販売
これは既にビートコミュニュケーションや手島屋、ドリコムなど多くの企業(既に20社近い)が進出しており、競争はかなり激化しています。
またmixiのソースコードは、必ずしもライセンス販売用に開発された美しいコードではなく、かなりのスパゲッティ状態にあると言われています。
ライセンス販売やASP販売に進出するにはコードを書き直さなければ難しいでしょう。これには時間と投資がかかります。
無論、今からでも進出不可能ではなく、mixiのブランドネームを持ってすれば一定程度の市場は確保できるでしょうが、儲かるまでには時間がかかりそうです。
3、ネット通販などの商品販売(物販)
これは既にライブドアや宝島ワンダーネットなど多くの企業が実施しています。楽天も楽天広場をソーシャル・ネットワーキングに改組する事を検討していると言う報道もありますし、yahooも色々な形態で今年はソーシャル・ネットワーキングを始めるでしょう。
Mixiがネット通販に進出しても収益は限定的なものに留まりそうです。
4、コミュニティ連動型企画広告
mixiで最も収益を挙げる可能性が高いビジネス・モデルは、この形だと思われます。
(バナー)広告などとmixi内の企業スポンサー・コミュニティをセットで企業に販売する方式ですね。
ジャストシステムが最初にmixiに持ち込んだのがこの方式でした。
米国ではソーシャル・ネットワーキングのフェースブックなどがこの方式で高い収益を挙げ黒字になりました。
ITセレクト誌によれば、mixiは既に10数社の顧客企業を獲得しているようですが。例えばアイリバーやハイネッケンなどです。
仮に一社3,000万円で一年間契約したと仮定すれば、20社の法人顧客で年間約6億円の売り上げが立ちます。
筆者はこれを『百貨店のフロアー貸方式』と呼んでいます。昔、大丸や三越などの百貨店が資生堂などにフロアー貸しをして収益を得ていたのと同じ方式な訳ですね。
ただし、この方式で先行しているのはオールアバウトやニフティのココログ、ソーシャル・ネットワーキングのナイルス・ナイルなどです。
ココログにはナイキジャパンや日本コカコーラなどが既に素晴らしい企画広告を打ち、実績を挙げています。月間訪問者数が1200万人のオールアバウトもニュージーランド航空や大手の証券会社、電力企業、不動産企業など多数の有名企業がスポンサーガイドを立て、動線コントロールで対面イベントなどに誘導し、マンションの販売や株式投資などを行うビジネスモデルを確立しています。
ソーシャル・ネットワーキングの領域で最も効率高く展開しているのはナイルス・ナイルのnileportでしょう。
既にライバル企業は自社の商品やサービスの販売に結びつくイベントとネット・コミュニティ、ネット広告を連動させたビジネス・モデルを確立しつつあります。
企業は脱テレビ、新聞、雑誌広告と言う動きを始めており、対象は必ずしもソーシャル・ネットワーキングだけではありません。オールアバウトとの競合などmixi 事業にもかなり競争が厳しくなりそうです。
● 最後に
mixiには日本のソーシャル・ネットワーキング・トップ・ブランドと参加者数250万人と言う強みがあります。
しかしマスメディアからネットに大きくシフトする中で、流れる広告費を狙うライバルは、大勢居ます。
ビジネスの成否はmixi の経営者が、ほりえもんと異なる『その地道さ』と言う特長を生かして本気でビジネスを考えることが出来るかどうかにかかっているのではないでしょうか?
Mixiは日本の代表ですから是非、成功してあるべきビジネス・モデルを確立して頂きたいものです。
![]() ![]() | 山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事 http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/h-yamazaki/ |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2006-1-30 9:46 更新日時: 2006-1-30 9:46 |
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トラックバック: Short Cappuccino
オイラもmixi使ってるけど、 正直使いにくい。 バナーもバカ高いみたいだし、 次の戦略はどれも後発となるし…。 今まで儲けを求めていなかったモノで 儲けるのは大変だろうな…(o ̄ |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2006-1-30 14:15 更新日時: 2006-1-30 14:15 |
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mixiのココが弱いと言っても、結局mixi自体がビジネスとしてできるという内部的なものしかないんですね。
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2006-1-30 20:38 更新日時: 2006-1-30 20:38 |
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mixi はトップの広告だけで週●000万円以上稼いでて、それだけでも十分黒字といってるんだから、コミュニティ連動広告を入れれば万全だと思うのは、素人的考えでしょうか…。
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2006-1-30 22:36 更新日時: 2006-1-30 22:36 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2006-1-31 21:23 更新日時: 2006-1-31 21:23 |
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| 投稿者: 未登録メンバー (0) 投稿日時: 2006-2-2 1:05 更新日時: 2006-2-2 1:05 |
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全部が全部正規の値段で払っている訳ではないですし、トップの広告もアフィリエイトが結構回ってますよ。
実情は広告だけで食っていけるような段階ではないと思います。 |
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